NISAが2026年度の税制改正でまた動いた。
正直、最初に改正の話を聞いたとき「また複雑になるだけじゃないか」と思った。新NISAが始まった2024年時点でようやく制度を理解して積立を始めたのに、また変わるのかという気持ちだった。
ただ、実際に内容を調べてみると今回の変更は「選択肢が増える方向」の改正が中心で、今すでに積立をしている会社員にとっては悪い話じゃない。むしろ使い方によってはメリットが出る部分もある。
この記事では2026年NISA改正の中から会社員が実際に影響を受けそうな3つの変更点を整理して、具体的に何をするか書く。
仕組み・背景を正確に把握する
2026年度(令和8年度)の税制改正大綱で決まったNISAの変更点は大きく3つある。ただし多くは2027年1月施行予定で、「2026年改正」という名前でも実際に使えるのは2027年からが中心だ。この点は混同しやすいので最初に押さえておく。
変更点①:つみたて投資枠の対象商品が拡充
これまでつみたて投資枠は「主に株式に投資するもの」が要件だった。2026年改正後は「主に株式または公社債に投資するもの」に変わる。
具体的には債券型・バランス型の投資信託がつみたて投資枠の対象に加わる。これまで「株式100%は怖い」という理由でつみたて投資枠を使い切れていなかった人には選択肢が広がる改正だ。
変更点②:18歳未満のつみたて投資枠解禁(こどもNISA)
旧ジュニアNISAが2023年末で廃止されて以降、未成年者がNISAを使う手段がなくなっていた。今回の改正でつみたて投資枠が18歳未満にも開放される。
- 年間投資上限:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 払い出し条件:12歳以降は本人の同意が必要
子どもの教育資金を非課税で積み立てる手段が復活する形だ。
変更点③:つみたて投資枠での定期売却サービス手数料が容認
これまでNISA口座では手数料徴収が原則禁止だったため、証券会社は定期売却サービスを事実上無料提供せざるを得なかった。改正後はつみたて投資枠に限り、定期売却サービスに通常必要な手数料の徴収が可能になる。
老後の取り崩しフェーズで使いやすいサービスが今後増える可能性がある反面、手数料の有無は証券会社ごとに確認が必要になる点は注意だ。
具体的な数字で試算する
今回の改正で最も影響が大きいのは「つみたて投資枠の対象商品拡充」だ。バランス型ファンドを使えるようになることで、積立金額の配分が変わる可能性がある。
改正前後のつみたて投資枠比較
| 項目 | 改正前(〜2026年12月) | 改正後(2027年1月〜) |
|---|---|---|
| 対象商品の要件 | 主に株式に投資するもの | 株式または公社債に投資するもの |
| バランス型ファンド | 一部のみ対象 | 対象拡充 |
| 債券中心の投資信託 | 対象外 | 対象に追加 |
| 年間投資上限 | 120万円 | 変更なし |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(成長枠含む) | 変更なし |
こどもNISAの試算例
年収500万円・子ども1人(5歳)を持つ30代会社員が、子どもが18歳になるまで毎月5万円(年60万円)をつみたて投資枠で積み立てた場合の試算。
- 積立期間:13年
- 積立総額:780万円
- 想定利回り5%(目安)での運用後評価額:約1,100万円
- 非課税保有限度額600万円に対して超過する分は成人後のNISAに引き継ぐ設計が想定される
あくまで試算であり、実際の運用成果は市場次第で変動する。
現行の積立継続者への影響試算
すでに毎月10万円(年120万円)をつみたて投資枠でS&P500インデックスに積み立てている場合、今回の改正で直接的な上限変更はない。ただし株式比率を下げたい場面で債券型ファンドをつみたて投資枠内で活用できるようになる点は将来の選択肢が増える。
今すぐやること3つ
1. 現在の積立設定と2027年施行タイミングをカレンダーに入れる
「2026年改正」という呼び方でも施行は2027年1月が中心。今年中に動く必要がある内容はほぼない。ただし2027年1月以降に対象商品が拡充されたタイミングで積立設定を見直せるよう、今から選択肢を調べておくのが実用的だ。
2. 子どもがいる場合は「こどもNISA」の口座開設手続きを確認する
施行後は証券会社での口座開設手続きが必要になる。楽天証券・SBI証券などの主要ネット証券が対応予定と見られているが、制度開始直後は手続きが集中する可能性がある。子どもの年齢・口座を持つ予定の証券会社のサイトで案内が出次第、早めに動く。
3. 使っている証券会社の定期売却サービスの手数料体系を確認する
改正後、定期売却サービスに手数料がかかるかどうかは証券会社の方針次第だ。現在すでに定期売却サービスを使っている、または老後の取り崩しに向けて検討中なら、2027年以降の手数料体系を証券会社に確認しておく。無料のままにするか有料にするかは各社の競争で決まるため、比較検討のタイミングが来る。
まとめ
2026年NISA改正のポイントをまとめると:
- つみたて投資枠の対象商品が拡充(バランス型・債券型が追加)
- 18歳未満のつみたて投資枠が解禁(こどもNISA復活)
- 定期売却の手数料容認(利便性が上がる半面、証券会社ごとに確認が必要)
自分の場合、今回の改正を調べて一番感じたのは「積立フェーズの変更点は薄く、取り崩し・子育てフェーズの整備が進んだ」という印象だった。30代でまだ積立を続けている段階では今すぐ動く内容は多くないが、子どもがいる家庭や老後の取り崩しを意識し始めた人には実質的な恩恵がある改正だと思う。
制度は変わり続けるが、積立を止めないことが最大の戦略であることは変わらない。改正の度に全部調べ直す必要はないが、「自分に関係する変更点だけを拾う」習慣を持っておくと、情報過多で動けなくなる状況を避けられる。