食費も光熱費も上がり続ける2026年、「節約しなきゃ」と思いながら何もできていない——そういう会社員が周りに多い。自分もそうだった。毎月の出費は「なんとなく多い」感覚があるのに、どこから手をつけるかわからず2年間放置していた。

転機になったのは、家計簿アプリで固定費を可視化したとき。スマホ代・保険料・サブスク合計が月に約2万円を超えていた。「こんなに払っていたのか」という感覚は今でも覚えている。3ヶ月かけて全部見直した結果、月2万円・年間24万円以上を削減できた。やったことは難しくない。ただ、「やっていなかっただけ」だった。


固定費の仕組み・背景を正確に把握する

節約を考えるとき、多くの人が真っ先に手をつけるのは食費や娯楽費だ。しかしこれは効率が悪い。変動費(毎月変わる出費)は削ると生活の満足度が直接落ちる。

対して固定費は一度見直せば何もしなくても毎月節約が続く。削っても生活の「体験」はほとんど変わらない。

2026年現在、会社員の固定費で特に見直し効果が高い項目は以下の3つに絞られる。

スマホ代

大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の月額は、20GBプラン前後で月6,000〜9,000円が相場。格安SIM(MVNO)や各キャリアのサブブランド(ahamoなど)に乗り換えると月2,000〜3,000円まで下げられる。差額は月4,000〜6,000円。年間で5〜7万円の差になる。

生命保険・医療保険

会社員は健康保険・厚生年金が充実しているため、民間保険で過剰にカバーしているケースが多い。「会社の福利厚生で十分カバーされていた」という話は珍しくない。独身会社員の場合、生命保険(死亡保障)はほぼ不要なことも多い。

サブスクリプション

2026年は「AIサブスク」が急増した年でもある。Netflix・Amazon・Disney+に加え、ChatGPT Plus・音楽ストリーミング・クラウドストレージ……気づいたら月1万円近く払っているケースがある。使っていないサービスが2〜3本あるだけで月数千円の無駄になる。


具体的な数字で試算する

年収別に「3点見直し後の年間削減額」を試算した。前提として、スマホは月5,000円削減、保険は月5,000円削減、サブスクは月5,000円削減(合計月1.5万円)を基準ケースとして設定。

年収現在の手取り目安固定費削減後の年間上乗せ削減額の手取り比
350万円約283万円約18万円(月1.5万円×12)約6.4%
450万円約351万円約18万円約5.1%
550万円約426万円約18万円約4.2%
700万円約524万円約18万円約3.4%

手取り比率で見ると、年収が低いほど削減効果が相対的に大きい。年収350万円の会社員であれば、手取りの6%以上を固定費見直しだけで生み出せる計算だ。

さらに項目別の削減幅をまとめると:

見直し項目見直し前(月額目安)見直し後(月額目安)月額削減幅
スマホ代(大手キャリア→格安SIM系)7,000〜9,000円2,000〜3,000円約5,000円
生命保険(過剰な死亡保障を整理)10,000〜15,000円3,000〜5,000円約7,000円
サブスク(使っていない2〜3本を解約)8,000〜12,000円3,000〜5,000円約5,000円
合計25,000〜36,000円8,000〜13,000円約17,000円

自分の場合、見直し前の合計は月26,000円だった。スマホを格安SIMに変えて−4,800円、保険は外貨建ての積立型生命保険を解約して−7,200円、使っていたサービス3本(音楽・クラウド・旧AIサブスク)を解約して−3,800円。合計月−15,800円で、年間189,600円の削減になった。


今すぐやること4つ

1. 家計簿アプリで固定費を「見える化」する

マネーフォワードMEや家計簿Zaim(無料プランあり)を銀行口座・クレジットカードと連携させて、まず現状把握から始める。「毎月何円が固定費か」がわからない状態で削減はできない。連携に10〜15分かかるが、1回やれば毎月自動で記録される。

2. スマホのデータ使用量を確認して格安SIMか大手サブブランドを検討する

Wi-Fi環境が整っているなら月15GB以下で収まることが多い。ahamo(ドコモ系・月2,970円・20GB)やpovo 2.0(au系・基本料0円でトッピング型)、Y!mobile(ソフトバンク系・月2,178円〜)が2026年現在の主な選択肢。MNPで番号を引き継いで乗り換えられる。

3. 生命保険の保障内容と会社の福利厚生を照合する

会社員は「傷病手当金(最大18ヶ月・標準報酬の3分の2)」「高額療養費制度」「団体保険」などで相当程度カバーされている。加入中の保険証券と会社の福利厚生一覧を並べて「どこが重複しているか」を確認する。独身で扶養家族なしなら、高額な死亡保障は不要なケースが多い。見直しの際は保険会社のFP相談(無料)を活用するのが最短。

4. サブスクを全件リストアップして「直近1ヶ月に使ったか」を基準に即解約

スマホの設定から「サブスクリプション」一覧を出す(iOSならApp Store→アカウント→サブスクリプション、AndroidならGoogle Play→お支払いと定期購入)。加えてクレカ明細も確認。「なんとなく継続している」サービスを1ヶ月使ったかどうかで判断。使っていないものは迷わず解約する。「また使いたくなったら再加入できる」と割り切るのが大事。


まとめ

物価高が続く中で手取りを実質的に増やすには、収入を上げるか支出を下げるかしかない。収入を上げるのはすぐには難しいが、固定費の削減は「今日から着手できて、1〜3ヶ月後には効果が出る」。

自分が実際に感じたのは、「削減後の生活の満足度はほとんど変わらなかった」ということ。格安SIMに変えてもスマホの使い勝手は変わらない。不要だった保険を解約しても困ることはなかった。使っていないサブスクがなくなっても何も失わなかった。

まず家計簿アプリで固定費を見える化するだけでいい。そこから「これ本当に必要か?」と一つずつ問い直すと、思った以上に無駄が出てくる。年間20万円近くを削減できると、その分を新NISAの積立や生活防衛費に回せる。固定費の見直しは、一度やれば毎月ノーコストで効果が続く最高コスパの節約術だと思っている。