副業を解禁している大企業が、54.6%に達した。
みらいワークスが2026年に実施した「副業・兼業に関する人事制度の実態調査」で明らかになった数字だ。さらに「現在は禁止だが制度整備中」が19.8%あるため、実質4社中3社が副業容認の方向にある。
それだけではない。2026年の労働基準法改正では、副業の「労働時間通算ルール」が見直される方向が示された。企業側の管理負担が大幅に減ることで、副業解禁の流れは今後さらに加速すると見られている。
自分が副業を始めたのは2年前の2024年春のこと。当時は「会社に申請するなんて怒られそう」と思って3ヶ月ほど動けなかった。就業規則を読んだら「事前申請で可」と書いてあったのに、申請書を出すのが怖かった。実際に出してみると、あっさり通った。3ヶ月の迷いは完全に無駄だった、という話だ。
仕組み・背景を正確に把握する
企業の副業解禁状況
厚生労働省のモデル就業規則が2018年に副業・兼業を原則容認する方向に改定されてから、解禁の流れは続いている。みらいワークス「副業・兼業に関する人事制度の実態調査2026」によると、大企業(従業員300名以上)の副業容認率は54.6%。内訳は「原則自由」が9.0%、「届出制・許可制で可能」が約45.6%だ。
この数字が意味するのは、「副業禁止は当たり前」ではなくなっているということ。自社の就業規則をまだ読んでいない人は、今すぐ確認する価値がある。
2026年労基法改正で何が変わるか
現行の労働基準法では、副業・兼業をしている労働者の労働時間は、本業と副業を通算して管理しなければならない。
例えば、本業で月160時間(週40時間)働いている人が副業で月20時間働くと、副業先は20時間分すべてに割増賃金(1.25倍)を支払う義務が生じる。この計算が複雑で、「副業を認めると管理コストが跳ね上がる」と敬遠する企業が多かった主な理由の一つだ。
2026年の改正ではこの通算ルールが廃止・簡素化される方向だ。各企業が自社の労働時間のみを管理すれば良くなる。企業側の「副業を認めると残業代計算が大変」という抵抗が減り、解禁の流れがさらに加速する見込みだ。
ただし、通算ルールがなくなっても「過労防止の安全配慮義務」はなくならない。副業で体を壊しても会社が守ってくれるわけではない、という点は認識しておく必要がある。
副業解禁の現状まとめ
| 企業の副業スタンス | 割合(2026年調査) |
|---|---|
| 副業容認(原則自由+届出・許可制) | 54.6% |
| 禁止だが制度整備中 | 19.8% |
| 現時点では禁止 | 25.6% |
大企業に勤める会社員の約4分の3は、副業解禁か解禁に向かっている企業に属している計算だ。「禁止だと思っていた」というケースの多くは、規則を確認していないだけで実は申請できる状態にある。
具体的な数字で試算する
年収600万円の会社員(製造業・社内SE・既婚・子なし)が副業で収入を得た場合の手取り増加を試算した。
| 副業月収 | 年間収入 | 追加税負担(目安) | 実質手取り増(目安) |
|---|---|---|---|
| 月1万円 | 年12万円 | 0〜約1.2万円 | +約10〜12万円 |
| 月3万円 | 年36万円 | 約7〜9万円 | +約27〜29万円 |
| 月5万円 | 年60万円 | 約12〜15万円 | +約45〜48万円 |
| 月10万円 | 年120万円 | 約25〜28万円 | +約92〜95万円 |
※いずれも概算。青色申告特別控除(最大65万円)を活用すると課税所得を圧縮できるため実質手取りは増える。
月3万円の副業収入で年間約27〜29万円の実質手取り増。これは新NISAの積立枠(月10万円)に対して、約2.3ヶ月分の積立資金を副業だけで賄える計算になる。
副業で月3万円を稼ぐのに必要な時間は、週5〜8時間程度が目安だ。週末の午前中を2〜3回使えば到達できるライン感。自分がクラウドワークスでシステム開発の補助案件を始めたとき、最初の月は3.2万円だった。案件数が少なくても、1件あたりの単価を上げれば十分に達成できる。
青色申告特別控除(65万円)を使うと、年収600万円・税率20%の場合で約13万円の節税効果になる。副業を始める前から開業届を出しておくだけで取れる節税なので、やらない理由がない。
今すぐやること4つ
1. 就業規則の「副業・兼業」条項を読む(30分)
会社の就業規則は社内イントラかグループウェアで公開されていることが多い。「副業」「兼業」「競業避止」「許可申請」などのキーワードで検索する。
- 「原則禁止」→ 申請できない可能性が高い(ただし法律で一律禁止にはできない)
- 「届出制」「許可制」→ 申請書を出せば認められる可能性大
- 記載なし → 人事部に問い合わせる価値あり
自分は「禁止だろう」と勝手に思い込んでいたが、読んでみたら届出制だった。まず読まないと何も始まらない。
2. スキルを副業案件で検索する(1時間)
クラウドワークスやランサーズで、現在の仕事に近いキーワードを検索する。「ExcelVBA」「議事録作成」「社内SE」「インフラ構築」「CAD」「品質管理」など職種に近い言葉を入れると案件が出てくる。
案件の単価と必要スキルを10件以上見るだけで、「自分が取れそうな案件」の感覚がつかめる。最初から受注しようとしなくていい。相場と案件数を把握するだけで次の行動が変わる。
3. 開業届と青色申告承認申請書を提出する
副業収入が年20万円を超えると確定申告が必要になる。その前に開業届(事業開始日から1ヶ月以内)と青色申告承認申請書(その年の3月15日まで、または開業後2ヶ月以内)を税務署に提出しておく。
これだけで青色申告特別控除(最大65万円)が使えるようになる。年収600万円・税率20%なら節税効果は約13万円。副業を始めるなら最初から整えておくほうが得だ。提出はe-Taxでオンライン完結できる。
4. 最初の案件は「時給換算」を気にしない
最初の副業案件は、実績ゼロの状態から始まる。単価交渉より「実績を1件作る」ことのほうが長期的な価値がある。自分も最初の案件は時給換算で700円程度だったが、その実績があったから次の案件で時給3,000円を提示できた。
最初の1件を取るまでのハードルが一番高い。ここを通過すれば、案件の取り方・見積もりの出し方・コミュニケーションの流れが身につく。最初の一歩にコスパを求めすぎない。
まとめ
副業を認める大企業が54.6%になり、2026年の労基法改正で時間通算ルールも見直される。副業を取り巻く環境が整いつつある今が、動き出す一番の好機だ。
自分が副業を始めて2年が経つ。正直、最初の3ヶ月の迷いがなければもっと早く稼げていた。申請はあっさり通るし、案件は思ったより取れるし、確定申告も慣れれば大した手間ではなかった。ネックになっているのは知識不足と、最初の一歩を踏み出す心理的な重さだけだ。
就業規則を読んで、案件を検索して、開業届を出す。この3ステップを今月中に終わらせれば、副業の「入口」には立てる。副業で得た収入をNISAの積立に回す流れが自然と見えてくる。