給料は増えない、物価は上がる、老後の不安は消えない——そんな状況で「何から手をつければいいか」と迷う会社員は多い。「改訂版 お金の大学」は、そのモヤモヤを一冊で整理できる入門書だ。難しい専門用語なし、行動できる具体策あり。2024年の新NISA制度にも対応した改訂版で、今の会社員が読む理由はさらに強くなった。
改訂版 お金の大学 とはどんな本か
著者はYouTubeチャンネル「両学長 リベラルアーツ大学」を運営する両@リベ大。登録者数400万人超(2024年時点)を誇る、日本最大級のお金系教育コンテンツの発信者だ。
本書は2020年に初版を発行し、累計発行部数100万部を突破したベストセラー。2024年の改訂版では新NISAや各種制度改正に対応した内容にアップデートされている。
「お金の大学」というタイトルが示す通り、本書はお金に関する「5つの力」を体系的に解説する構成だ。
| 力 | 内容 |
|---|---|
| 貯める力 | 固定費・変動費の最適化 |
| 稼ぐ力 | 本業・副業での収入UP |
| 増やす力 | 投資・資産運用 |
| 守る力 | 詐欺・保険・税金対策 |
| 使う力 | 満足度を上げるお金の使い方 |
この5つをバランスよく身につけることが、経済的自由への近道だというのが本書の核心だ。特定の投資手法を推すのではなく、全体の地図を示してくれる点が会社員に刺さる理由になっている。
会社員が押さえるべき3つのポイント
固定費の見直しで月3〜5万円の自由が生まれる
多くの会社員が見落としているのが、固定費の最適化だ。携帯料金・保険・家賃・サブスクリプション——これらを見直すだけで月3〜5万円の余剰資金が生まれるケースは珍しくない。
具体的な行動例としては以下が挙げられる。
- 大手キャリアから格安SIMへの乗り換え(月1〜3万円の削減)
- 生命保険の見直し(会社員は健康保険・労災があるため過剰保険になりやすい)
- 使っていないサブスクリプションの解約
重要なのは「頑張って節約する」ではなく「構造的に無駄をなくす」という発想転換だ。一度やれば毎月自動的に節約が続く仕組みができあがる。本書はこの「ラクに続く節約」の設計図を丁寧に解説している。
投資は「インデックス投資×新NISA」が会社員の最適解
「増やす力」の章では個別株・FX・不動産など様々な投資手法が紹介されているが、本書が会社員に強く推奨するのはインデックス投資だ。
理由は明快。
- 時間をかけずに運用できる(本業への影響がない)
- 長期・積立・分散でリスクを低減できる
- 新NISAを使えば運用益に税金がかからない
月3万円を年利5%で20年積み立てた場合、元本720万円が約1,232万円になる計算になる(※シミュレーション値。将来の利回りを保証するものではない)。「投資は難しい・怖い」と思っている会社員ほど、まずこの章から読んでほしい。
副業は「稼ぐ力」と「信用」を同時に育てる行動
本書が「稼ぐ力」で強調するのは、副業は単なる収入源ではなく「スキルと信用の蓄積」だという視点だ。
フリマ・ブログ・スキル販売・コンテンツ制作——最初から大きく稼ごうとするのではなく、「自分のスキルをお金に変える経験」を積むことが重要だと本書は説く。会社員が会社の外で稼ぐ経験を一度でも持つと、次の副業・転職・独立の際に圧倒的に有利になる。本書はその「最初の一歩」の踏み出し方を段階的に解説している。
この本が向いている人・向いていない人
正直に評価する。万人向けの本ではない。
向いている人
- お金の勉強を何から始めればいいか分からない初心者
- 節約・投資・副業の全体像をざっくり把握したい人
- 新NISAについて改めて整理したい会社員
- 固定費を見直したいが何から手をつけるか迷っている人
向いていない人
- 投資の具体的な銘柄選定や高度な分析手法を学びたい人
- 不動産投資・FXなど特定分野を深掘りしたい上級者
- 既にお金の5つの力を実践済みで次のステージを目指す人
率直に言えば、本書は「お金の全体像を網羅した入門書」だ。一冊で全てが解決する魔法の本ではなく、各テーマの入口に立てる地図のような存在。初心者に最高の一冊であり、上級者には既知の内容が多い——それが正直な評価だ。
読んだ後にやること
アクション1:固定費を書き出して2項目だけ判断する
本書を読んだ翌日にやること、それは家計の固定費を一覧化することだ。
- 携帯料金・保険料・サブスクを書き出す
- 月いくら払っているか確認する
- 「格安SIM乗り換え」と「不要保険の解約」の2項目だけ判断する
1時間あれば完了する作業で、毎月数万円の節約につながる可能性がある。完璧にやろうとせず、まずこの2つから動け。
アクション2:新NISA口座を開設して最小金額で積立設定する
本書を読んで投資を始めようと思ったら、まず口座開設だ。SBI証券・楽天証券なら10〜15分で申し込める。
- 月5,000円〜1,000円でも積立設定する
- 商品はeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)かS&P500インデックスファンドが定番
「完璧な知識を身につけてから始める」より「小さく始めて学びながら続ける」が圧倒的に有効だ。時間は取り戻せない。早く動いた分だけ複利が働く。
アクション3:副業の候補を1つだけ選んで3日以内に調べる
「稼ぐ力」の章を読んだら、自分に合いそうな副業を1つだけ選んで調べる。すぐ始める必要はない。ただし「選んだら3日以内に調べる」というルールを自分に課すこと。行動しない知識は意味をなさない。
まとめ
「改訂版 お金の大学」は、お金の不安を持つ会社員が「何から始めるか」を決めるための最良の入門書だ。
- 固定費を削って余剰資金を作る
- 新NISAでインデックス投資を始める
- 副業でスキルと信用を積み上げる
この3つを実行するだけで、多くの会社員の財務状況は確実に変わる。完璧主義を捨てて、まず「貯める力」から動き出せ。