要約
・日本政府が南米の関税同盟「メルコスール」(ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ)とのEPA交渉開始を検討 ・5月28日の自民党対策本部会合では、価格が安い牛肉・農産物の輸入拡大による国内農業者への打撃を懸念する声が相次いだ ・メルコスールは農業大国ブラジルを含む巨大市場で、牛肉の生産コストは日本の数分の一とされている ・日本側のメリットは工業製品・自動車の輸出関税引き下げと、南米市場へのアクセス拡大 ・EPAが成立した場合、スーパーの輸入牛肉・食料品の価格が中長期的に下落する可能性がある ・農業分野の保護を巡って交渉が長期化する見通しで、合意時期は不透明
億速コメント
EPAの影響は消費者(物価が下がる)と生産者(競争激化)で正反対に出るため、「良い・悪い」の単純な評価が難しいトピック。会社員の食卓コストという観点では、輸入牛肉の価格低下は実質的な生活費の引き下げ効果を持つが、国内農業の縮小が続くと食料安全保障上のリスクが蓄積する側面もある。過去の日豪EPA・TPPでも同様の議論があり、交渉から発効まで数年かかるのが通例で、すぐに食品価格に反映されるわけではない点も踏まえると、「今すぐ生活が変わる話」ではなく「5〜10年後の食卓に影響しうる政策の入口」として捉えると解像度が上がる。
出典:NHK経済 | 2026-05-29