📚 このシリーズについて

「投資の考え方」第6回 / 全14回予定

「新NISAって結局何がいいの?」と思ったことはありますか?

2024年から始まった新しいNISA制度は、ニュースや職場でも話題になることが増えてきました。でも「なんとなく得らしい」とはわかっても、「具体的にどういう仕組みか」「自分には関係あるのか」がはっきりしないまま、口座だけ開いて放置している方も少なくありません。

前回の記事では、長期投資で資産が増える「複利のしくみ」についてお伝えしました。今回の【投資の考え方⑥】では、その複利をより効果的に活かせる制度として注目される「新NISA」について、基本的な考え方を整理します。難しい話は抜きにして、「仕組みの概要と、どう考えればいいか」をわかりやすく解説します。

そもそも新NISAとは何か・3行で理解する

NISAとは「少額投資非課税制度」の略です。難しそうな名前ですが、要するに「この口座の中で投資をすると、利益に税金がかからない」という制度です。

通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。たとえば10万円の利益が出た場合、約2万円を税金として納める必要があります。でもNISA口座を使った場合、この税金が0円になります。

2024年から始まった新NISAは、旧NISAよりも大幅にパワーアップしました。非課税で投資できる金額の上限が大きくなり、非課税でいられる期間も「無期限」になりました。

  • 年間の投資上限:360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)

  • 生涯の投資上限:1,800万円

  • 非課税期間:無期限

これだけ聞くと数字が大きくて戸惑うかもしれませんが、「月々数千円〜数万円の積立でも使える制度」と理解しておけば十分です。上限まで使い切らなくても、制度のメリットは十分に享受できます。

「非課税」という言葉の意味を実感で理解する

「税金がかからない」と聞いても、どれくらいインパクトがあるかピンとこないかもしれません。少し具体的に考えてみましょう。

たとえば、月3万円を20年間積み立てた場合(元本720万円)を想定します。年利3〜5%という保守的な想定でも、20年後には1,000万円前後になる可能性があるという考え方があります。

通常の口座であれば、この増えた分のうち約20%が税金として引かれます。仮に300万円増えたなら、約60万円が税金になります。一方、NISA口座ならその60万円がそのまま手元に残る。この差は非常に大きいといえます。

税金の仕組みを知っているだけで、同じ行動でも長期的な結果が大きく変わる。

もちろん、投資には元本割れのリスクもあります。上の例はあくまで「こういう考え方もある」という参考情報です。実際の結果は市場の動きによって異なります。ただ「税優遇の制度があることを知っているかどうか」で選択肢の幅が変わることは確かです。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の考え方の違い

新NISAには2種類の枠があります。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」です。

つみたて投資枠は、毎月一定額を積み立てることで長期的に資産を育てるためのものです。対象の商品は、一定の基準を満たした投資信託に限定されています。投資初心者がまず活用するならこちらから始めるという選択肢を考える方が多いです。

成長投資枠は、個別株や幅広い投資信託など、より多様な商品に投資できる枠です。選択肢が広い分、自分で判断する場面も多くなります。

多くの投資初心者にとって、最初に考えやすいのは「つみたて投資枠を使って、長期的に積み立てていく」という方向性です。毎月1万円から始めても問題ありません。「まず枠を使ってみる」という感覚で始める方も多いです。

ただし、どの商品を選ぶか・いくら投資するかは、ご自身の状況や考え方によって異なります。選択肢の1つとして知っておくことが大切です。

新NISAを「制度」として理解するための3つのポイント

最後に、新NISAを理解するうえで押さえておきたい考え方を3つお伝えします。

1つ目は「売っても枠が復活する」という点です。旧NISAでは一度使った枠は復活しませんでしたが、新NISAでは売却した翌年に枠が戻ります。これにより、長期的に柔軟に使いやすくなっています。

2つ目は「損益通算ができない」という点です。NISA口座で損失が出た場合、他の口座の利益と相殺することができません。これはデメリットとして理解しておく必要があります。

3つ目は「いつでも引き出せる」という点です。iDeCoと違い、NISAの資産は必要なときにいつでも売却できます。「老後まで引き出せない」という縛りがないため、柔軟性という面では使いやすい制度といえます。

新NISAは制度であり、投資の成果を保証するものではありません。あくまで「税優遇のある仕組みを使うかどうか」という選択肢の1つとして、ご自身のライフプランに合わせて検討してみてください。



投資は自己責任です。実際の判断はご自身の状況をよく確認した上で行ってください。

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