あなたは毎月給料から引かれている税金の金額を、正確に把握していますか?

多くの会社員は、給与明細を見ても「所得税・住民税・社会保険料が引かれているのはわかるけど、計算の仕組みはよくわからない」という状態です。そして「節税は個人事業主や会社経営者がやるもので、会社員には関係ない」と思っている方も少なくありません。

でもこれは、実はもったいない思い込みです。会社員でも活用できる節税の仕組みは、いくつか存在します。今回の記事では、会社員が知っておきたい節税の基本として、特に押さえておきたい3つの制度をわかりやすく解説します。

そもそも会社員の税金はどう決まるのか

節税を理解するには、まず「会社員の税金がどう計算されているか」の大まかな流れを知っておくことが大切です。

会社員が払う所得税・住民税は、「課税所得」という金額をもとに計算されます。課税所得とは、給与から各種の「控除」を差し引いた後の金額です。

式で表すと:課税所得 = 給与収入 − 各種控除

つまり、控除が増えるほど課税所得が減り、税金が少なくなります。節税の基本は「控除を増やすこと」です。会社員でも使える控除や節税の仕組みはいくつかあり、知っているかどうかで毎年の手取りが変わる可能性があります。

節税の本質は「払わなくていい税金を正しく減らすこと」。脱税とは全く別物だ。

節税は合法的な行為であり、国が用意した制度を正しく使うことです。「節税=ズルい」というイメージを持っている方がいるとすれば、それは誤解です。制度を知って、使うかどうかを判断するのは、お金の基礎知識として押さえておきたい部分です。

制度①:ふるさと納税・実質2,000円で地域に貢献できる

会社員が最も手軽に試せる節税・節約の仕組みとして広く知られているのが「ふるさと納税」です。

ふるさと納税は、全国の自治体に寄附をすることで、その金額から2,000円を引いた分が翌年の住民税から控除される仕組みです。さらに多くの自治体ではお礼品(返礼品)がもらえるため、実質的に「2,000円の自己負担で返礼品が手に入る」という考え方ができます。

たとえば、年収500万円の会社員が約6万円をふるさと納税したとします(控除上限額は収入・家族構成によって異なります)。翌年の住民税が約5万8,000円減り、その分はお米・牛肉・旅行券などの返礼品で受け取れるイメージです。

注意点として、控除を受けるには確定申告か「ワンストップ特例制度」の申請が必要です。ワンストップ特例制度を使えば、年間5自治体以内への寄附であれば確定申告なしで手続きが完了します。

制度②:iDeCo(個人型確定拠出年金)・節税しながら老後資産を作る

2つ目はiDeCo(イデコ)です。「個人型確定拠出年金」の略で、自分で掛け金を積み立てながら老後資金を形成する制度です。

iDeCoの節税効果として注目されているのは「掛け金が全額所得控除になる」という点です。たとえば月2万3,000円(年間約28万円)を積み立てると、その全額が所得から差し引かれます。所得税率20%の方なら年間約5万6,000円前後の節税効果が得られる可能性があります(税率・状況によって異なります)。

デメリットとして、iDeCoは原則60歳まで引き出せないという制限があります。「老後のお金」として封印するという前提で使う制度と理解しておくことが大切です。また、投資信託などで運用するため、元本割れのリスクもあります。

iDeCoは会社員でも加入できますが、勤め先によって毎月の掛け金上限が異なります(企業型年金の有無によって変わる)。詳細は金融機関や厚生労働省のサイトで確認することをおすすめします。

制度③:医療費控除・年間10万円超えた医療費は申告できる

3つ目は「医療費控除」です。これは知っているようで活用できていない方が多い制度です。

医療費控除とは、1年間の医療費(本人+生計を同じくする家族の医療費の合計)が10万円を超えた場合、超えた分を所得から控除できる仕組みです。

医療費控除の対象として含まれるものには、病院の診察・治療費、処方薬代、通院交通費(公共交通機関のみ)などが含まれます。一方、健康診断・美容目的の費用・予防接種などは対象外であることが多いです(詳細は国税庁のサイトで確認してください)。

また、セルフメディケーション税制という制度もあります。健康診断を受けることを条件に、市販薬の購入費が年間1万2,000円を超えた場合に控除が受けられる制度です。医療費が10万円に届かない場合でも、こちらの制度の適用を検討できることがあります。

医療費控除を受けるには確定申告が必要です。会社員でも確定申告を行うことで控除を受けることができます。領収書を捨てずに保管しておく習慣をつけることが、活用の第一歩です。



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