📚 このシリーズについて
「お金の基本」第9回 / 全14回予定
あなたは今、自分の貯金が「本当に守られている」と感じていますか?
毎月コツコツ銀行に積み立てているのに、なんとなく生活が苦しくなっている気がする。スーパーの食品も、光熱費も、外食も、気づけば値上がりしている。でも、口座の残高はちゃんと増えているはずなのに——そのモヤモヤの正体は「インフレと円安」です。
資産1,000万円への道筋が見えてきたら、次に考えるべきことがあります。それが「お金の守り方」です。増やすことと同じくらい、守る視点を持てるかどうかが、長期的な資産形成の明暗を分けます。
この記事では、会社員が「資産を守る」という視点を持つための基本的な考え方を整理します。難しい投資知識がなくても、まず「何が起きているのか」を知るだけで、お金との向き合い方が変わります。
「貯金は安全」という思い込みが危険な理由
銀行口座の残高が減っていないのに、お金が減っている。そんなことがあるのかと思われるかもしれませんが、これがインフレの正体です。
インフレとは「モノの値段が上がること」を指します。100万円で買えていたものが、10年後に110万円必要になったとしたら、手元にある100万円の価値は実質的に下がっているのと同じです。口座の数字は変わっていないのに、「そのお金でできること」は確実に減っています。
日本では長年「物価は上がらない」と言われてきましたが、2022年以降、食料品・光熱費・日用品の値段が連続して上昇しています。今後もこの流れが続くとすれば、現金をただ持ち続けることのリスクは、以前より格段に高くなっているといえます。
「元本保証」という言葉には確かに安心感があります。ただ、元本保証はあくまで「数字が減らない」ということであって、「生活レベルが守られる」ことを保証しているわけではありません。この違いを意識できるかどうかが、お金の守り方を考える第一歩になります。
情報の整理にはClaudeやChatGPTが役立ちます。「インフレが資産に与える影響をわかりやすく説明して」と入力するだけで、自分の状況に合わせた解説を得られます。最新の物価データや経済情報を調べるにはPerplexityが便利で、リアルタイムで検索しながら回答してくれます。
インフレと円安が会社員の資産を静かに削る仕組み
インフレと並んで、会社員の資産に大きな影響を与えているのが「円安」です。
円安とは、日本円の価値が外国通貨に対して下がることを指します。たとえば、1ドル=100円の時代から1ドル=150円になると、同じドルを手に入れるのに1.5倍の円が必要になります。これは、海外から輸入しているモノ——食料・エネルギー・原材料——のコストが上がることを意味します。
結果として何が起きるかというと、スーパーの食品が高くなり、ガソリン代や電気代が上がります。給料が変わらない中で生活コストだけが上がれば、実質的な生活水準は下がっていることになります。
さらに厄介なのは、この変化が「ゆっくり」「じわじわ」進むことです。株の暴落のように数字が激しく動くわけではないので、気づいたときにはすでに大きな影響を受けているというケースが少なくありません。
インフレ率が年2%続くと仮定した場合、20年後には今の1円の購買力は約0.67円相当になります。つまり、今の100万円は20年後の感覚では67万円分の購買力しか持たない計算になります。この「静かな目減り」が、円現金で資産をすべて持ち続けることの最大のリスクです。
「守る」とはどういうことか・考え方の転換
ここで大切な視点を一つ共有したいと思います。
「現金をそのまま持ち続けることが資産を守ることだ」という考え方が、インフレ・円安が続く環境では、実はリスクにつながってしまうケースがある。
これは投資を無理に勧めているわけではありません。ただ、「何もしなければ安全」という認識が、現在の経済環境ではそのまま通用しない場面が増えているということを知っておいてほしいのです。
「守る」というのは、数字を守ることではなく、生活の質・購買力を守ることです。そのために有効とされているのが、「お金の置き場所を一カ所に集中させない」という考え方です。全財産を円の現金で持てば、円の価値が下がるリスクをすべて一身に引き受けることになります。一方で、異なる特徴を持つ複数の形に分散させることで、一つのリスクが大きくなっても全体への影響を抑えることができるという考え方があります。
この「分散」という発想が、守りの設計の基本です。具体的に何をどう分けるのか——そこから先が、守りの実践編です。
📌 ここから先は実践編です
具体的な手順・数字・テンプレートなど、すぐ使えるノウハウを解説します。
資産を守りながら増やす3つの選択肢を知る
では、具体的にどのような「置き場所」があるのでしょうか。ここでは代表的な3つの考え方を紹介します。投資は自己責任であり、どれが正解というわけではありません。「こういう選択肢がある」という視点として参考にしてください。
選択肢1:外貨建て資産 円安のリスクを軽減する方法の一つとして、ドルなど外貨建ての資産を一部持つという考え方があります。円安が進むほど、円換算での評価額が上がる可能性があるためです。ただし為替変動リスクも伴うため、資産全体のうちの一部分を外貨建てにするという考え方が参考にされています。
選択肢2:株式・インデックス投資 株式の価格は長期的には物価上昇(インフレ)と連動しやすいという特徴があります。企業の売上や利益は物価に合わせて動く場合が多いため、インフレが進む環境でも資産の実質価値を保てる可能性があるという考え方があります。特に世界の多くの企業に分散できる「インデックス型」は、リスク分散の観点から参考にされることが多い選択肢です。
選択肢3:実物資産の考え方 金(ゴールド)や不動産といった「実物」を持つという考え方もあります。これらはインフレ時に価値が上がりやすいという歴史的な傾向があるとされています。すぐに始める必要はありませんが、「資産の種類を広げる選択肢の一つ」として知っておくことには価値があります。
情報収集にはPerplexityで最新の制度や商品動向を調べたり、Geminiで資産クラスの比較をビジュアルで整理したりする活用方法も参考になります。
守りの設計で大切な「分散という習慣」
大切なのは「どれが正解か」ではなく、「偏りをなくす」という発想です。
すべての資産を円現金に集中させているなら、円安・インフレのリスクを一手に引き受けています。逆にすべてを株式に投じれば、市場下落のリスクに全力で晒されます。どの資産クラスも、メリットとデメリットを同時に持っています。
だからこそ「複数の場所に置く」という考え方が有効です。預金・投資信託・外貨建て商品・実物資産など、異なる特徴を持つものに分けて持つことで、一つが大きく動いても全体への影響を抑えることができます。
完璧な守り方はありません。でも、「偏りを意識して、少しずつ分散させていく」という習慣が、10年後の資産の厚みに大きな差をつけます。守りの設計は、一度にすべてを変える必要はありません。まず「今、自分の資産はどこに集中しているか」を確認することが、最初の一歩です。
投資は自己責任です。実際の判断はご自身の状況をよく確認した上で行ってください。
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