要約

・2026年3月末時点で、日銀が保有する国債の評価損が約45兆円規模と過去最大を更新 ・長期金利の上昇が主因。日銀は国債を大量保有しており、金利1%上昇ごとに数十兆円単位で含み損が拡大する構造 ・日銀は国債を「満期保有」が原則のため、評価損は即座に財務破綻につながるわけではない ・ただし、含み損拡大が続く局面では日銀が追加の利上げや金利正常化を慎重に進めざるを得ない圧力になり得る ・会社員の住宅ローン(変動金利)や新規借り入れコストは、今後の金利動向と日銀の判断に直接連動する ・日銀の財務状況と国債市場の安定性は、2026年以降の金融政策の「余地」を左右する注目ポイント


億速コメント

中央銀行の「含み損」は一般企業の含み損とは性格が異なり、日銀は自国通貨を発行できるため即座に経営危機になるわけではない。ただし、含み損が膨らむほど「利上げすると財務が悪化する」というジレンマが深まり、本来やりたい金融政策の自由度が狭まるという見方もある。会社員にとって身近な影響としては、住宅ローンの固定金利に反映される長期金利の水準があり、日銀がどのペースで正常化を進めるかによって月々の返済額が変わり得る。「含み損があるから利上げできない」のか「それでも利上げを進めるのか」——日銀の今後の判断を追う際の背景知識として押さえておきたい数字だ。


出典:NHK経済 | 2026-05-28